Sodium Channel Blocker Library

ナトリウムチャネルはナトリウムイオン（Na+）の細胞膜透過を導くイオンチャネルを形成する膜貫通型タンパク質で、チャネルを開く機構によって電位依存性チャネルとリガンド依存性チャネルの二種類に大別されます。ナトリウムチャネルによるナトリウムイオンの輸送は高い選択性を持っています。神経細胞、筋細胞、特定のグリア細胞などの興奮性細胞では、ナトリウムチャネルが活動電位の上昇相を担っています。てんかん、片頭痛、神経変性疾患、神経因性疼痛など一般的な神経疾患の多くでは神経の興奮性異常が関与しており、電位依存性ナトリウムチャネル（VGSC）の発現や機能の異常に関する知見が積み上がっています。

VGSCを抑制する薬剤は、数十年にわたって神経の異常興奮による疾患で最も頻度が高いてんかん発作や不整脈の治療に使用されており、抗てんかん薬であるVGSC阻害剤は他の神経疾患にも幅広く有効であることが明らかになりつつあります。ナトリウムチャネルは神経毒の標的でもあり、作用する神経毒は多様な動物や植物によって産生され、その化学構造も多岐にわたります。特定のVGSCアイソフォームに対して高い選択性を持つ薬剤の開発は、一部の神経疾患の治療における有効性が期待されており、画期的なアプローチとなる可能性を秘めています。

本ライブラリーではナトリウムチャネル阻害剤およびアゴニストとして報告されている128種類の化合物を収集しています。より選択的かつ効率的なイオンチャネル標的創薬スクリーニングにご活用ください。