Traditional Chinese Medicine Monomer Library

中医薬は病気の治療または予防のために数千年間使用されてきました。しかし、その物質的な理解、作用機序、処方の薬理学的な互換性は完全には解明されていませんでした。また、複数の成分から構成されているため漢方薬は処方のしかたが複雑で、その臨床効果を発揮する有効成分の研究は大きく制限されています。中医薬による治療効果の基本は、植物由来生理活性物質による作用を組合せることによっています。中医薬として使用される植物から、直接または間接的に200種近い現代医薬品がこれまでに開発されています。例えば、中国のハーブ Artemisia annua L から抽出した有効成分であるアルテミシニンは、最も効果的な抗マラリア薬となっています。ジンセノシドは天然のステロイド配糖体およびトリテルペンサポニンの一種であり、この化合物はほとんど パナックス属（人参）の植物にしか存在しません。そのため、中医薬から単離した活性成分およびリード化合物をもとに、新規の合成医薬を探索することは、より安全かつ経済的な方法であると言えます。近年、中医学製剤産業の中でもとりわけ分離手法や単離技術の発展は日進月歩であり、中医薬monomer、つまり中医薬の有効成分となる化合物には多くの薬理作用があること、そして創薬の行方に革新的な影響を与える可能性が示されています。

中医薬は、慢性疾患や非感染性疾患、高齢化社会といった21世紀に入って多発する地球規模の健康問題を解決することが期待されています。

TargetMol の中医薬化合物ライブラリーは、三七人参 (Panax natoginseng)、リコリス (Licorice)、当帰 (Angelica)、陳皮 (Pericarpium Citri Reticulatae)、黄連 (Coptis chinensis)、高麗人参 (Panax ginseng) など約 2688 種類の中医薬から抽出した 2,688 種類に及ぶフラボノイド、アルカロイド、テルペン、グリコシドなどの化合物を収集しています。本製品は、抗がん、抗炎症、抗菌、アポトーシス、オートファジーなどの機序研究や新薬発見のためのツールとして有用です。