Anti-Lung Cancer Compound Library

Global Cancer Statistics 2018 において、2018年当時がんの新規患者数は全世界で 18.1 百万人、死亡者数は 9.6 百万人に増加、そして新規患者の約半数、死亡者の半数以上はアジア地域に集中したと推定されています。とりわけ肺がんは新規患者の内で最も多く、新規がん患者全体の 11.6％ を占めているにも関わらず効果的な治療法がないため、死亡者数も最多の 180 万人、死亡者数全体の 18.4％ に上っています。

肺がん治療の選択肢には、外科的処置、放射線療法、化学療法、免疫療法、標的治療、併用療法があります。治療法の推奨は、がんのタイプやステージなどいくつかの要因に基づいて行われます。過去 30 年の間に診断と治療の改善が進んできましたが、肺がん患者の予後は依然として良いとは言えません。がんが原発巣に留っている場合を除いて、現行の標準治療による成績は芳しくありません。

そのような中で、分子標的治療と免疫療法は現在、非小細胞肺がん（NSCLC）の治療においてパラダイムシフトを迎えており、最新の研究成果に基づいた肺がん治療の未来となりつつあります。分子標的治療では、がん細胞の成長や機能を妨げ、健康な細胞に与える損傷を減らすことに焦点を当てます。しかし、NSCLCの分子標的治療は進行の制御が可能である一方で、腫瘍の薬剤耐性は不可避な問題となっています。全ゲノムシーケンシングの出現により、NSCLCの発生と進行のメカニズムおよび薬剤耐性の獲得のメカニズムについて理解が進み、薬剤耐性を克服する新しい世代の分子標的治療の設計・開発が待たれています。

本製品は肺がんに関連する主要なシグナル伝達経路を標的とする化合物に肺がんの治療効果が報告されている化合物を加えた1735種類の化合物からなるライブラリーです。