Anti-Obesity Compound Library

肥満症は今や公衆衛生上の喫緊の課題です。過去20年間に、肥満症の発生率は成人、小児とも2倍に増加し、青少年ではその数値は3倍に上ります。米国人の3分の2は過体重または肥満に該当し、米国では肥満症に起因する40万人の死亡と、1,170億ドルの医療および関連費用の負担が毎年発生しています。肥満症は遺伝、社会、行動、文化、生理学的、代謝的要因が複雑に関与する多因子疾患であり、心臓病、睡眠時無呼吸症候群、一部のがんと密接に関連しています。現在、肥満症治療の主要な選択肢には、食事、運動、行動療法、そしてバリアトリック手術がありますが、いずれも一定のリスクを伴います。したがって、効果的かつ安全な新規抗肥満薬の開発は急務です。しかし、多くの製薬企業が抗肥満薬の開発に大量の資本と労力を投資してきたにも関わらず、これまでに承認を受け、上市された抗肥満薬のほとんどがその深刻な副作用のために市場撤退しています。そこで最近の研究では、特に脂肪の腸管吸収を抑制、もしくは脂肪細胞のエネルギー消費を促進し代謝を増加することで抗肥満活性を示す、効果的かつ安全な有効成分を食品または既存の薬剤から見出す試みがなされています。例えば、リパーゼ阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤（αGI）、マルターゼ/グルコアミラーゼ（MGA）阻害剤です。

従来の肥満症に対する単剤療法は一時的な体重減少の達成には成功しているものの、後にリバウンドという問題を抱え流ことがしばしばです。これは食欲調節とエネルギー恒常性に関与するメカニズムが多様性と冗長性を兼ね備えているためであり、驚くべきことではありません。そのため、複数の生物学的メカニズムを同時に標的とするよう設計された合剤が持続的な体重減少と共存症の改善をもたらす可能性があることは注目に値します。

本製品は抗肥満活性が報告されている2286種類の化合物からなるライブラリーです。肥満症に対する薬剤治療の研究や新薬開発にご活用ください。