Chemokine Inhibitor Library

ケモカイン（chemokine）は特定のケモカイン受容体（chemokine receptor）を介して細胞遊走を誘導する分泌タンパク質のファミリーであり、免疫監視、発生、創傷治癒、細菌感染、炎症反応、腫瘍の進行や転移など種々の生物学的および病理学的プロセスにおいて重要な役割を果たしています。ケモカイン受容体のシグナル伝達機構の制御は、多発性硬化症や動脈硬化症、乾癬、炎症性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎などの炎症性疾患、AIDSなどのウイルス感染症の治療において有望な戦略であることが報告されています。ヒトでは約20種類のケモカイン受容体と50種類のケモカインが同定されています。ケモカインおよびケモカイン受容体は、システイン残基の配置パターンによってCXC、CC、CX3C、XCの4つのサブファミリーに分類されます。ここでCはシステインを、Xはシステイン以外のアミノ酸を示します。ケモカイン受容体はGタンパク質共役型受容体に結合した7回膜貫通型受容体で、リガンドとなるケモカインの種類に対応して命名されています。例えば、CXC受容体（CXCR1、2、3、4、5）はCXCケモカインを、CC受容体（CCR1、2、3、4、5、6、7、8、9）はCCケモカインを、CX3C受容体はCX3Cケモカインを、XC受容体はCケモカインをリガンドに持ちます。ケモカインの基礎研究が進んだことにより、ケモカインおよびケモカイン受容体は炎症性疾患および免疫性疾患における薬物ターゲットとして非常に有望であることが示唆されており、ケモカイン/ケモカイン受容体相互作用の拮抗は炎症性疾患の治療に有益であると考えられています。現在、ケモカイン受容体拮抗剤にはモノクローナル抗体、ケモカイン誘導体、低分子拮抗薬などさまざまなものがあります。

本製品はケモカインおよびケモカイン受容体をターゲットとする59種類の生物活性化合物から構成されるライブラリーです。免疫性疾患等の研究および創薬スクリーニングにご活用ください。