Drug Repurposing Compound Library

従来の de novo デザインによる新薬の発見と開発には、リード候補化合物の中から HTS によってヒット化合物を見つけるために、何百万種もの化合物を収載した化合物ライブラリーと高度に特化したスクリーニング施設が必要でした。このプロセスは大変な時間と費用がかかるものです。薬の安全性や有効性に関する規制がますます複雑になっている昨今、新薬の開発コストは更に高騰しています。

その中で、ドラッグリポジショニング（既存の薬剤の新しい適応症を見つけるための効果的な戦略）は、高効率・低コストであることから近年注目されており、数多くの大型新薬を生み出してきました。まず、承認薬はその特徴として明確な生物活性、安全性、生物学的利用能を有しているため、薬剤の開発と最適化を劇的に加速することが可能となります。そこにきて、ハイコンテンツスクリーニング、新規バイオマーカー、非侵襲的イメージング技術、バイオインフォマティクスの進歩により、承認済み化合物の新規適応症を追求する機会は一昔前とは別次元の規模に拡大しました。

本ライブラリーは、4330種類の承認済みおよび臨床試験中である有効成分の化合物からなります。いずれも種々の前臨床試験を経ているため、生物活性、安全性、バイオアベイラビリティの高さを特徴としています。そのためドラッグリポジショニングや細胞の分化誘導に有用で、薬剤開発における最適化を劇的に加速させることが期待できます。