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News 週刊化合物—2',3'-cGAMP

2023/12/22

週刊化合物——2',3'-cGAMP

2',3'-cGAMP、T10065/T10065L、は哺乳動物の細胞内で自然に存在するcGAMP分子です。このcGAMP分子は環状ジヌクレオチド(CDNs)ファミリーに属し、3つの異なる形態、すなわち3′3′-cGAMP、2′3′-cGAMP、および3′2′-cGAMPが存在します。水中での溶解度が低いため(溶解度 < 1 mg/mL)、科学研究の目的でしばしばナトリウム塩の形で調製されます(溶解度 H2O: 45.0 mg/mL、DMSO: 0.9 mg/mL)。

作用メカニズム

2',3'-cGAMPはSTINGに結合し、下流のシグナル伝達イベントを活性化します。cGAS-STINGシグナル伝達経路は細胞内監視システムとして機能します。ウイルスまたはがん細胞由来のDNAが細胞質に入ると、cGAS(cyclic GMP-AMP synthase)が活性化され、ATPおよびGTPから2',3'-cGAMPの合成を触媒します。2',3'-cGAMPは警告信号として機能し、STING(Stimulator of Interferon Genes)経路を活性化します。最終的には、type I interferon(IFN-β)および他のサイトカインの生成を誘導し、免疫応答を開始します。

応用

cGAS-STINGシグナル伝達経路におけるセカンドメッセンジャーとしての2',3'-cGAMPは、抗感染、抗腫瘍応答、自己免疫疾患、および炎症状態を含むさまざまな病理学的および生理学的プロセスで重要な役割を果たしています。そのため、STINGシグナル伝達経路は薬物開発の有望な標的となっています。さらに、2',3'-cGAMPの天然合成収率は低く、その構造中のホスホジエステル結合は酵素的分解の影響を受けやすいです。したがって、2',3'-cGAMPの安定性を向上させるための構造修飾は、その製薬価値に重要な寄与をします。